鍵をひとつだけ

復活

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濃密な雨

雨が緑をさらに濃く染めていく

竹林は濡れてたわわな緑を胎内に孕む

空からの水と空気中の水分をすべて包み込んで

どこかに

小鳥が潜んでいるのか

いや

雫に耐えかねた枝がしなったのか

かすかな音を求めて振り向けば

ただ濃密な無音があるだけ

雨はまだ降っている

竹林は黒に近い緑に佇んでいる。

かつて父と呼んだ人


久しぶりの夢に

その人は現れた

死んだはずだと

もうどこにもいないのだと

夢の中で何度も繰り返した

ただ、存在するということが

なぜこんなにも

苦しいのだろう

血の鎖は

まだ足首につながっているのだろう

今も確かに。

積み上げていたと思っていた幻

真心という名前を

積んでいる時にはつけていた

それは

それしか方法が見えなかったという意味での

一生懸命さにつけた名前。

積み上げた心で

作っていたのはなんだったんだろう

たった一つの言葉で

こんなに簡単に壊れるなんて

きっと

それは

真心によく似ただけの

何か違うものだったんだ

今日は外にでたくないの

遠くに冬枯れの森がけむってる


加湿器からのぼる湯気が冷えて


部屋の底に沈んで積もるような


湿った記憶がざわざわと鳴る


凍った風が雲を押す


静々と


時を


後ろから明日へと押しやるかのように


記憶にも残らない今日の一つ点に


蹲っている


白い部屋の片隅に


あれは


熱をだして学校を休んだ


子供のころのわたし





生きていること


あなたがいることがうれしいのです。

あなたと同じ時間を生きていることがうれしいのです。

この空の下に

あなたがいることがうれしいから。

あなたを大切にしようとおもった。

そんなふうに

思っている人間がいることを

いつも伝えようと思ったのです。

よかった

今年もまた、あなたに会えて。